結論:男性と女性は描き分けられました。でも髪型と表情まで、勝手に変わります
ローカルで人物の絵を作っている方に向けた記事です。同じ場面で「男性」「女性」の1語だけ変えて描かせたら、性別は描き分けられましたが、髪型や表情まで勝手に変わりました。FLUX.2 klein-4BとZ-Image-Turboの12枚と、崩れを直した指示文を、そのまま載せています。
klein-4BはBlack Forest Labsが出しているFLUX.2 kleinの4B版(4Bは、モデルの大きさを表す印で、約40億個の数値でできているという意味です)、Z-Image-TurboはTongyi-MAIが出している画像生成モデルです。どちらも、手元のMacだけで絵を作るAI(ローカル画像生成)として動かせます。アニメ調・実写風・手描きの水彩の3画風で、全部で12枚になります。
先に答えを書きます。
- 男性と女性は、12枚とも指定どおりに描き分けられました。性別を間違えた絵はありません
- 指定していない髪型は、6組すべてで変わりました。男性は短髪、女性は後ろで結んだ髪か長い髪です
- アニメ調のkleinでは、表情にも差が出ました。男性は眉を寄せた引き締まった顔、女性は頬がほんのり赤くてやわらかい顔です
- 絵の出来は、性別の差よりモデルの差のほうが大きく出ました。採点の平均はZ-Imageが67.9点、kleinが55.4点です(100点満点の参考値)
- kleinの水彩は、男性でも女性でも店員が2人に増えました。「人は1人だけ」と書き足したら直りました
りょう「男の人」「女の人」って言葉を変えただけなのに、髪型まで変わっちゃうんだね
変えたのは「man」と「woman」の1語だけです
まず、試した環境と、必要な物です。
- 動かしたMac:Mac Studio(M5 Ultra)、メモリ96GB
- 道具:mflux。Macの中だけで絵を作る道具で、MITライセンスで配布されています。私が動かしたのはバージョン0.18.0(2026年6月公開)です
- 入れ方:配布元の説明にある
uv tool install --upgrade mfluxで入ります。ただし、これで入るのは最新版(2026年10月31日の時点で0.24.0)で、私の0.18.0とは別です。新しい版では、コマンドの書き方が変わることがあります(私は新しい版を試していません) - 費用:道具もモデルも、無料でダウンロードできます。モデルはHugging Faceで配られています。4bit版は、公式のものではなく、ほかの人が変換して公開したものです(kleinはRunpod、Z-Imageはfilipstrandのもの)
- モデルの大きさ(ダウンロード):klein-4Bの4bit版が約4.3GB、Z-Image-Turboの4bit版が約5.5GB。4bit版は、容量を小さくした形です
- 1枚の時間(1024×768):kleinが約3.7秒、Z-Imageが約8秒。各2回ずつ測った、モデルの読み込みを含む時間です
- メモリの最大値は、測っていません。96GBより少ないメモリのMacでは、試していません
条件は次のようにそろえました。
- 場面:カフェのカウンターで、若い店員がラテアートを注ぐ
- 服:白いシャツと濃い灰色のエプロン
- 変えたもの:人物を表す英語の1語(manとwoman)だけ
- 画風:アニメ調、実写風、手描きの水彩
- 乱数の種(seed):61に固定
- サイズ:1024×768
- ステップ:klein-4Bは4、Z-Image-Turboは8(ステップは、絵を仕上げる回数のことです)
乱数の種を同じにすると、同じ指示からは同じ絵が出ます。性別の語だけを変えて種をそろえれば、絵の違いは、その1語に反応した部分だと考えられます。
指示文(英語)は、場面の部分が共通で、画風ごとに頭と終わりを変えました。{man|woman}の所が、入れ替えた1語です。
a young Japanese barista in their mid-twenties pouring latte art into a white cup at a wooden cafe counter, wearing a white shirt and a dark gray apron, warm lamplight, an espresso machine behind, no text, no logo
- アニメ調:頭に「Anime style illustration of a {man|woman}, 」、終わりに「, clean lineart, soft cel shading」
- 実写風:頭に「Photorealistic photograph of a {man|woman}, 」、終わりに「, 50mm lens, shallow depth of field, natural skin」
- 水彩:頭に「Loose hand-drawn ink and watercolor illustration of a {man|woman}, 」、終わりに「, wobbly black outline, soft washes, paper texture」
たとえば、アニメ調の男性の指示文は、次のようになります。
Anime style illustration of a man, a young Japanese barista in their mid-twenties pouring latte art into a white cup at a wooden cafe counter, wearing a white shirt and a dark gray apron, warm lamplight, an espresso machine behind, no text, no logo, clean lineart, soft cel shading
実行したコマンドは、次のとおりです。--promptに上のような英文を入れます。--low-ramは、メモリの使い方を抑える指定です。
mflux-generate-flux2 \
--model Runpod/FLUX.2-klein-4B-mflux-4bit --base-model flux2-klein-4b \
--low-ram --steps 4 --width 1024 --height 768 --seed 61 \
--prompt "(英文)" --output klein.png
mflux-generate-z-image-turbo \
--model filipstrand/Z-Image-Turbo-mflux-4bit \
--low-ram --steps 8 --width 1024 --height 768 --seed 61 \
--prompt "(英文)" --output zimage.png
髪型は6組とも変わりました
指示には、髪型を書いていません。それでも、6組すべてで、男性は短い髪、女性は後ろで結んだ髪か長い髪になりました。


種をそろえた効果は、多くの組で出ました。6組のうち5組は、背景・小物・構図の大枠が、男性と女性で同じです。いちばん違ったのは、上の絵の右側、Z-Imageのアニメ調の組で、エスプレッソマシンの位置が、男性と女性で左右入れ替わりました。Z-Imageの水彩の組も、カウンターの形が少し変わっています。


服の指定は同じ「白いシャツ」なのに、変わった絵もあります。水彩のZ-Imageの女性だけは、襟のない白い服になりました。指定した襟付きのシャツではありません。


指定していないことは、モデルが「男性ならこう、女性ならこう」と補います。描き分けが楽になる反面、そろえたい部分は書いておかないと、勝手に変わるわけです。
アニメ調のkleinは、表情にも差が付きました
私がいちばん気になったのは、アニメ調のkleinの組です。顔を拡大して並べると、男性は眉を寄せた引き締まった顔で、女性は頬がほんのり赤く、やわらかい顔をしています。男性も口元は少しゆるんでいるので、差が出たのは、眉と頬の赤みです。指示には、表情も頬も書いていません。


ほかの組にも似た傾向は見えましたが、はっきり言えるのは、アニメ調のkleinの組だけです。
ラテの液体は、kleinでは4枚とも茶色でした
アニメ調と実写風の8枚で、注いでいる液体を見ました。
- Z-Imageの4枚:白いミルクを注いでいる
- kleinの4枚:茶色い液体を注いでいる(エスプレッソのように見える)


kleinの実写風の2枚は、ショットグラスくらいの小さな器から注いでいます。ラテアートの道具には見えません。
kleinの水彩は、店員が2人に増えました
水彩のkleinは、男性の指定でも女性の指定でも、店員が2人に増えました。男性の指定では男性が2人、女性の指定では手前に女性、後ろに男性です。女性の指定の絵では、後ろの男性の体が薄く消えかかっています。2枚とも、注ぐ道具はペンのような棒になっています。


カップも、よく見ると取っ手が2つあります。左に1つ、右の手の後ろにもう1つです。


性別ごとの違いというより、この画風とkleinの組み合わせで起きた崩れです。男性でも女性でも、同じように起きました。
偽の文字は、12枚中6枚に出ました
読める文字は出ませんでした。ただ、はっきり偽の文字と分かる線が、6枚に出ました。機械の銘板、立て札、壁の額の中などです。ぼやけて判断が分かれるものは、数えていません。
- klein:4枚
- Z-Image:2枚


絵を公開するときは、隅まで拡大して確かめたほうが安心です。



絵の隅っこに、読めない字がこっそり入ってることがあるんだよね
点数はZ-Imageが上でした。ただし1回の試験です
順位は、はっきり出ました。12枚を、どのモデルの絵か分からない状態で採点し、あとでモデルに戻しました。ファイル名も、絵に埋め込まれた記録も消した複製で見ています。絵の見やすさ、構図、色、破綻などの項目を点にする、決めた物差しで見たものです。100点満点の参考値です。
- アニメ調:Z-Image 72.5点・72.5点/klein 53.8点・53.8点
- 実写風:Z-Image 73.8点・73.8点/klein 63.8点・63.8点
- 水彩:Z-Image 57.5点・57.5点/klein 48.8点・48.8点
画風ごとに見ても、3つともZ-Imageが上です。kleinの水彩が低くなった理由の一つは、人物が2人に増えたことだと見ています。
注意は、種を1つに固定した1回の試験だということです。種を変えれば、順位が入れ替わる可能性があります。別の題材(白黒のマンガ、柴犬の絵本風)で試したときは、kleinのほうが上の絵もありました。
描く時間は、上の「必要な物」のとおり、コマンド全体の時間で、Z-Imageがkleinの2倍ほどかかります。絵に埋め込まれた記録で、生成だけの時間を見ると、kleinが約1.3秒、Z-Imageが約5.8秒でした。
指示を足したら、kleinの崩れは直りました
kleinの水彩とアニメ調の4枚に、次の英文を、人物の説明の直後に混ぜて、描き直してみました。アニメ調の男性なら、指示文はこうなります。
Anime style illustration of a man, a young Japanese barista in their mid-twenties, the only person in the picture, pouring white steamed milk from a stainless steel milk pitcher into a white cup with exactly one handle, making latte art at a wooden cafe counter, wearing a white button-up shirt with a collar and a dark gray apron, warm lamplight, an espresso machine behind, no other people, no text, no logo, clean lineart, soft cel shading
日本語にすると、足したのは次のとおりです。
- 人物はその1人だけで、ほかの人は描かない
- 白いスチームミルクを、ステンレスのミルクピッチャーから注ぐ
- カップの取っ手は1つ
- 襟付きのボタンシャツ
結果は、4枚とも、人物が1人、白いミルク、取っ手が1つ、襟付きのシャツになりました。


ただ、直らなかった所もあります。ミルクピッチャーの形が、4枚のうち3枚でまだ不自然です。大きすぎたり、金属の器が2つ重なって見えたりします。アニメ調の組では、男性は引き締まった顔、女性は微笑み、という表情の違いも残りました。ここまでは、私が拡大して見た範囲の話です。
表情や髪型までそろえたいときは、そこも書き足す必要がありそうです。
実写風のkleinにも、同じ指示を足してみました。直す前は小さなカップから茶色い液体を注いでいて、男女とも指がくっついていました。書き足した後は、白いミルクをピッチャーから注ぐ絵になり、指のくっつきも出なくなりました。


どちらを選ぶか
今回の12枚だけで言えば、人物の絵はZ-Imageのほうが安定していました。アニメ調と実写風では白いミルクを注ぎ、人数も崩れませんでした。水彩のZ-Imageは、注ぎ口の液体が少し茶色く見えます。
速く何枚も描いて、良い1枚を選びたいときは、kleinが向いています。その場合は、人数、液体の色、取っ手の数、襟のあるなしを、指示に書き足すのがよさそうです。
公開用に使う前に確かめること
ライセンスの表記も、一度見ておきました(2026年10月31日にHugging Faceで確かめたものです)。
- klein-4B:Apache-2.0。商用を含めて使える、広く使われているライセンスです
- Z-Image-Turboの元モデル:Apache-2.0(公式のGitHubに、ライセンスの全文もあります)
- Z-Image-Turboの4bit版(今回使ったもの):tongyi-qianwen-licenseと書かれています。説明には「元モデルから引き継いだ」とありますが、元モデルは公開の最初からApache-2.0で、リンク先のライセンスのファイルもありませんでした(2026年11月1日に確認)
4bit版の表記は、書き間違いではないかと思います。公開する絵に使うなら、元モデルのライセンスを保存しておくと安心です。
ローカルだとまだ多少荒いところがありますが、指示をしていけば細かい修正も受け付けてくれます。
AIらしい指のないイラストと笑っていたころが懐かしく感じました。










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