結論:MLX-Serveのほうが約4.5倍早く仕上がりました
同じMac Studioで、同じAIに同じ10秒の動画を作らせたところ、ComfyUIでは約15分、MLX-Serveでは約3分20秒かかりました。差は約4.5倍です。Macで動画のAIを動かしたい方が、どちらの道具を選ぶか決められるように、測った数字をまとめました。
使ったAIはMiniMax H3です。文章を渡すと、音の付いた動画を作ってくれます。中身(重み)が公開されているので、自分のMacの中で動かせるんです。
10秒の動画1本にかかった時間
- ComfyUI:900.5秒(約15分)
- MLX-Serve:200.3秒(約3分20秒)
- MLX-Serveのターボ:116.7秒(約2分)
(どれも同じMac Studioで、ほかの重い作業をしていないときに1回ずつ測った値です)
ComfyUIとMLX-Serveは、どちらもAIに動画を作らせるためのソフトです。AIの中身は同じで、動かす道具だけが違います。ターボはMLX-Serveの中にある、速く仕上げる設定です。
りょうMacを買い替えなくても、道具を変えるだけでこんなに縮むんだよね
比べた2つの道具
どちらも、AIの中身を読み込んで動画を作るためのアプリです。
- ComfyUI:画像や動画のAIを動かすアプリとして、いちばんよく使われているもののひとつです。部品をつないで手順を組み立てます。MacではPyTorchという仕組みの上で動きます
- MLX-Serve:Appleが作ったMLXという仕組みの上で、AIを動かすアプリです。MLXはAppleのチップに合わせて作られています
AIの中身は、どちらも8bit(数字を小さくまとめて軽くした版)を使いました。ComfyUI用とMLX-Serve用でファイルの形が違うので、まったく同じファイルではありません。
測った条件
そろえたところ
- Mac:Mac Studio(M5 Ultra・メモリ96GB)
- 動画:832×480・243コマ(10.125秒)・音声あり
- 工程(ステップ):20回
- 指示文:夕暮れの穏やかな海、浜に寄せる波、遠くのカモメ、映画のような雰囲気、波の音
- シード(乱数の出発点):1
工程は、ぼんやりした絵を少しずつ動画に仕上げていく回数のことです。回数が多いほどきれいになりやすいですが、そのぶん時間がかかります。
ターボはMLX-Serveにある速く仕上げる設定で、工程を4回に減らして作ります。
結果:時間とメモリ
かかった時間
- ComfyUI:900.5秒(読み込みと仕上げを除くと、1工程あたり約41秒)
- MLX-Serve:200.3秒
- MLX-Serveのターボ:116.7秒
使ったメモリ
- ComfyUI:約34GB(記録の中でいちばん多かった量)
- MLX-Serve:約26GB(MLX-Serve自身の見積もり。動画を作っている間は約20GB)
時間だけでなく、メモリもMLX-Serveのほうが少なく済みました。


できあがった動画は、3本とも夕暮れの海と波で、絵が崩れたところはありませんでした。MLX-Serveのふつうの設定は色が暗く沈んだ感じで、カモメはほとんど見えません。ターボはカモメが多く、明るい絵になりました。シードを同じにしても、道具や設定が違うと絵は変わります。
約4.5倍の中身
実はこの約4.5倍、計算の速さだけの差ではないんです。
MLX-Serveの進み具合の記録を見ると、20工程のうち8工程は、ほぼ0秒で終わっていました。前の工程の計算を使い回して、手間を省いているようです。ComfyUIは20工程を毎回きちんと計算していました。
なので、「同じ計算を4.5倍速くこなした」というより、「同じ設定で頼んだら、4.5倍早く仕上がった」と読んでいただくのが正確です。使う側からすれば、同じ設定で待ち時間が4分の1より短くなるのは大きいです。



同じ20工程でも、道具によって中でやっていることが違うんだよね
MLX-Serveを試すときの注意
私が試したときに気づいたところを書いておきます。
- 起動するときは、
--host 127.0.0.1を付けるのがおすすめです。付けないと、同じネットワークにいるほかの機械からもつながる設定で立ち上がります --timeout(初めは300秒)は、念のため長めにしておくと安心です。私は5400秒にして測りました- AIの中身は約65GBあります。ダウンロードの時間と、空き容量に気をつけてくださいね
- 動かす前に、メモリが足りるかを厳しく確かめる仕組みがあります。ほかのAIを同時に動かしていると、断られることがありました
メモリ96GBのMac Studioで試した値なので、メモリが少ないMacでは、同じようには動かないかもしれません。
今回の動画のAIは、どちらの道具でも、文章を読む部品だけで約26GBを使いました。32GBのMac miniでは厳しく、動画まで手元で作るなら64GB以上が安心です(試してはいません)。Macの選び方は、前に書いた記事にまとめています。
https://kiko-an.com/ai-mac-erabikata/
まとめ
10秒の動画1本(同じMac Studio)
- ComfyUI:約15分
- MLX-Serve:約3分20秒(約4.5倍早く仕上がった)
- MLX-Serveのターボ:約2分
ローカルでの動画の作成もソフトウェアが増えてきて、かなり楽になりました。
Mac miniでも大容量メモリを積めば、作ることができそうです。
今回のような難しい操作もAIがやってくれるので、表現の幅が広がりますね。










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